「危険な動物たち」のストーリー

英国のマーウッド動物園は、アメリカに本社を置く世界的大企業オクトパス社の冷酷非道な社長ロッド・マッケイン(ケヴィン・クライン)によって買収された。新園長に就任したロロ(ジョン・クリース)は会社に義務づけられた増収を図るため、凶暴で獰猛な猛獣たちのみで構成される画期的な動物園で、刺激とアブなさを求める観客たちの動員を狙う。そのため凶暴でない動物たちは処分されることになった。「こんなにかわいい動物たちを処分するなんてとんでもない」と、バグジー(マイケル・ペイリン)をはじめとする飼育係たちは、動物を殺させないためさまざまなアイディアでロロに訴える。園長と同じ名前をつけたリーマーを本人に押しつけ、自らの手で処分してもらうよう彼の感情に訴えかけたり、またハナグマなどの小動物を猛獣に見せるため看板を描き換え、その凶暴さをデッチ上げるため嘘の被害を装い、ロロの気を変えようとしたり……。飼育係たちの努力と押しつけられた動物たちのかわいさに、次第に心を動かされるロロ。しかし、更なる増収をもくろむ社長のバカ息子ヴィンス(ケヴィン・クライン二役)と、やり手のキャリア・レディのウィラ(ジェイミー・リー・カーティス)が本社から派遣され、動物園を一大テーマパークに変えると発表。調子に乗るヴィンスは、勝手に有名人の名前を無断仕様して里親プランを実施したり、有名企業の広告を園内のいたるところに付け、挙げ句の果てに飼育係たちに着ぐるみを着せ、詐欺まがいの運営を行う暴走ぶり。業を煮やしたロッドは、園を売却してゴルフコースに変えると言いだす。閉園になれば動物たちは処分されてしまう。1頭のゴリラとの遭遇を契機に動物たちに魅了されていたウィラは、本当は動物好きのロロといつしかひかれあっていた。ロロとウィラ以下、飼育係たちは一致団結して事態に対処しようとする。一方、横領がバレたヴィンスは警察が来る前に逃亡しようとするが、そこへロッドが到着。逆上したヴィンスは拳銃を振り回すが、バグジーが取り上げた拳銃が暴発してロッドは死亡。あわてた一同はヴィンスを父親の替え玉に仕立てる。そこへやって来た警察やロッドの部下を前に、父親に化けたヴィンスは「全財産を息子に譲って引退する」と宣言。その直後、彼は自殺する芝居をして、本物のロッドの死体は自殺ということで処理された。一件落着して園は存続することになり、ロロとウィラも晴れて結ばれた。