「拳銃の洗礼」のストーリー

ニューヨーク全市を恐怖せしめている強盗団がトリニティー信託会社を襲って社長ホルトの事務室から莫大な金を奪い去った時は、素晴らしいセンセーションを起こした。この強盗団の団長は紳士として社交界に出入りしているデイヴィッド・クレッソンであった。彼は当時社交界の花とうたわれていたヘレン・ランキンに恋し、高価な首飾りを贈ったりした。クレッソンは恋する身となったので悪事を絶つことを決心し、トリニティー信託襲撃を最後として足を洗うことを乾分達に宣言した。ところが乾分中での利け者フラッシュ・ノートンはこれに反対し、残党を繰って「卑怯な」クレッソンの鼻を明かす計画を思い立った。ノートンの巣窟たるノクターンクラブにヘレンがトリニティー信託社長の甥にあたるリチャード・ホルトと一緒に遊びに来たのを発見したノートンは2人の帰途を襲っておいはぎをやった。ヘレンは負傷し、直ちに入院したがリチャードはこの報を伝えにクレッソンを訪れた。それよりさきノートン等は盗品を持ってクレッソンを訪れた。クレッソンは盗品を受け取っただけで分け前は取らずにノートン以外の乾分を追い返したのである。そこへレッドという乾分が拳銃を擬して暴れ込んだのでクレッソンの正体はリチャードの知るところとなる。その夜リチャードは体よく監禁されたが脱出してしまった。しかし思うところあるノートンはリチャードをノクターンクラブに監禁した。クレッソンはヘレンを訪れて彼女の愛はリチャードに注がれていることを知り、愛人の幸福のためにリチャードを救いにノクターンクラブに乗り込み首尾よくリチャードを逃した。が彼自身はノートンをたおすとともにノートンの弾丸を受けて死んでしまった。