「決闘請負業」のストーリー

レイモンド・カザヌオヴァというパリ児は金も地位もあったが恋が無かったので世をはかなみパリの町端れの橋から投身しようとして誤って橋下の小舟に飛び込みエルヴィルという美しい娘と知り合いになった。彼女の父は娘をダドー侯爵に嫁がせる筈だったが彼女は侯爵を好まなかった。元来ダドー侯爵の先祖は闘士として有名だったがそれは臣下にカザヌオヴァ家なるものがあって代々忠勤をはげんだためであった。斯くレイモンドの先祖は侯爵の臣下だったがフランス共和国の今日に於いては単なる友達同士だった。ダドー侯爵は嫉妬深い男だった。彼はエルヴィルの崇拝者たちや従兄弟等に対してさえも彼女のことから決闘を申し込んだ位だった。しかしその都度自分では勝負を争う元気がなくて何時もレイモンドに代わって決闘して貰った。しかし今度はそのレイモンドが恋仇だったのでダドー侯爵も自ら彼と決闘場に相まみゆるの他なかった。が侯爵には相手を負かすだけの自信は無かった。そこで侯爵はレイモンドに泣きを入れて表面彼に死んでしまったことにして貰おうと虫の良いことを考えついた。頼まれていやと言えぬ性分のレイモンドは一応承諾したものの、余りにも卑怯な侯爵の振る舞いを腹に据えかねて、結婚式場からエルヴィルを奪って逃げ出した。そして途中誤って空中防備隊の標的たる気球の籠の中に飛び込んで昇騰したため、さんざんに砲弾を浴びて墜落した。しかも墜落したところが牧師の家だったのでレイモンドとエルヴィルとは目出度く結婚することが出来たのである。

今日は映画何の日?

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