「突然炎のごとく(1994)」のストーリー

かおりの日常は、男友達の太郎とのセックス以外これといったものはない。そんな日常に対する飽和感と飢餓感を感じているところに、ふとしたことで知り合った都会の匂いのする中年男・浩介が登場し、かおりは突然の情熱とほのかな期待を覚えた。しかし、なおみの出現もあり、浩介もまた単なるセックスの″条理″に甘んじた日常に埋没した男にすぎないことを知り、愛は次第に冷めていく。一方太郎は、かおりの気を引くことが出来ず、彼女と浩介の関係も知って不安と怒りがいや増す。かおりはやがて浩介に肉欲だけではない愛情を求めるが、その″不条理″を受け入れる″条理″のない浩介は、かおりを殺してしまう。そしてそこへ駆けつけた太郎の目の前で、自らも拳銃で頭を撃ち果てる。もはやなす術のない太郎は、かおりの幻影を求め、冷えた夜を彷徨い歩く……。