「Morocco 横浜愚連隊物語」のストーリー

1945年、進駐軍に占領された横浜の街を、モロッコの辰は我が物顔で闊歩していた。辰のもとには、その自由な生き方に憧れたイキのいい若者たちが次々と集まっている。辰に因縁をつけて反対に叩きのめされ、舎弟となった塚本もそのひとりだ。ある夜、ふとしたきっかけからダンスホールでGIと喧嘩になった辰たちは、その場に野毛の沢田がいながら見て見ぬふりをしていたことを知り、沢田を脅して大金をせしめようとする。沢田はハマの小鉄に泣きついて、横浜を辰の言いなりにさせていいのかとたきつけた。そのころ、横浜愚連隊四天王と呼ばれる、辰と辰の兄弟分・迫水吾郎、井山栄一の3人は、残るひとり、森大助が刑務所から出所した祝いの席をもうけていた。その場にのりこんできた小鉄は四天王が揃っているのを見るや、沢田を辰に引き渡して、そのまま祝いに参加するのだった。喫茶店のウエイトレス・藤枝に惚れた辰は、彼女に言い寄る青木という男を叩きのめして藤枝と良い仲になるが、青木は逆に辰の男気に惚れて押しかけ舎弟となる。そのころ、愚連隊の横行に腹を立てた滝島一家の代貸・金原は、博打場で因縁をつけてきた辰の舎弟・ケンを半殺しにした。辰のもとには小鉄や吾郎、森らが集まり、金原たち博徒と愚連隊との抗争の火ぶたが切って落とされようとしていたが、そこへ稲山組の組長・稲山から仲裁を取り持つという申し出が入り、辰は全てを稲山にゆだねると結論を出した。抗争の準備のため勢揃いしていた吾郎らは、急遽、辰と藤枝の結婚式を祝うことに決め、愚連隊たちが見守る中、ふたりは晴れて夫婦となった。