「PICNIC<日本バージョン>」のストーリー

双子の妹を殺してしまったココは、心の病を抱えた人たちが暮らす施設へ入れられた。そこは心の平穏を取り戻す場所には程遠く、彼女の心は益々閉ざされていく。ある日、ココはツムジとサトルというふたりの青年と知り合い、施設の塀の上を歩いて渡る“探険”に参加した。塀の向こうへ行こうとしないツムジとサトルを尻目に、ココは「塀の上なら、いいのよ」と、隣の塀へ飛び移る。ツムジがこれに続き、サトルを残してふたりの塀伝いの探険が始まった。たどりついた教会の塀の上で美しい賛美歌に耳を澄ませていると、牧師がふたりに声をかけてきた。地球滅亡を願うツムジと、自分が死んだら地球も滅びると信じているココに、牧師は一冊の聖書を渡す。ココとツムジは施設へ連れ戻されたが、聖書の黙示録を読んだツムジが地球滅亡を予言したことから、サトルも加わった三人は世界の最後を見るために、再び塀伝いの探検に出発する。途中、ドジな警察官からピストルを奪った三人は、ちょっとしたいき違いからバラバラになり、ひとりぼっちになったサトルは塀から落ちて死んでしまった。ツムジも教師殺しという忌まわしい過去の幻影に襲われ、降り出した激しい雨に自らの罪を洗い流そうとする。ようやく追いついたココと埠頭へたどりついたツムジは、太陽が爆発して世界が終われば自分も救われると考え、沈む夕陽にピストルの弾を撃ち込んだ。しかし、世界は何も変わらない。次の瞬間、ココは地球を滅ぼすために、自分の頭に向けて引き金を引いた。崩れ落ちるココの体を抱きとめるツムジ。黄金色に輝くふたりの影は、いつまでも重なり合っていた。