「幻想 アンダルシア」のストーリー

夫の道夫とスペイン料理店で久々の外食を楽しんでいた芝山庸子は、隣のテーブルの男女が作家の志水幹朗が失踪したと話しているのに気付いた。よく見るとその女は庸子にとても似ている。庸子は志水を探す旅に名乗りを上げた。スペイン・セビリアの志水の下宿を訪ねた庸子は、唯一残された手掛かりの「偽りの血」という書きかけの原稿を読み耽った。ふらりと迷い込んだ場末のバーで、庸子は自転車でスペインを旅している遊という青年に声をかけられる。翌朝、下宿に届いたミサの案内にしたがって教会を訪ねた庸子は、秋という女性から、志水のかつての助手・稲見が事故死したことを告げられ、ワープロで清書された「偽りの血」の原稿を手渡された。稲見が残したという言葉を頼りに、庸子は秋と遊を誘ってカディスの港に向かった。3人は偶然に志水を知るジプシーと出会い、稲見の死を聞いた志水がショックを受けて南へ向かったらしいことを知る。3人はようやく志水が逗留している宿を見つけるが、彼はここ数日帰っていなかった。人混みの中に志水の姿を見かけた庸子は廃墟に迷い込み、年老いた姿の志水に出会う。秋と遊はそれぞれ魅力的な異性と出会い、一夜をともにした。三者三様の思い出を胸に海にやってきた庸子たちは、志水と稲見がそれぞれ書いたふたつの「偽りの血」の原稿のことに思いを馳せるのだった。下宿に戻った庸子がうたた寝から目を覚ますと、扉の向こうにはぼんやりとした志水の姿があった。再びスペイン料理店に戻った庸子は、幻想のアンダルシアに迷い込んでいたもうひとりの自分に気付き、道夫との愛を再確認するのだった。

今日は映画何の日?

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