「第三の極道」のストーリー

大阪・通天閣辺りを仕切る独立組織・大門組は、昔気質の極道の集団。そこへ広域暴力団・藤堂組系武田組が、大門組のシマ内の空港建設に絡む地上げを巡って話し合いを持ち込んで来た。大門組はきっぱりとその申し出を断るが、その日以来、藤堂組のいやがらせが多発。死者まで出るようになり、ついに全面戦争の火ぶたが切って落とされるというところまできてしまう。ところがその裏には、藤堂組に買収された宮城の裏切りがあった。それを敵の相馬から聞かされた正木は宮城を斬殺はするが、既にこの時点で圧倒的に不利な戦争を避けるため、組長・大門に組の一時解散を申し入れた。大門は断腸の想いで解散を決意し、藤堂組がそのシマを手中に収めることになった。組が解散した後、正木は密かな行動を開始する。それは堅気でありながら正木の侠気に惚れた男たち、即ち“第三の極道”に招集をかけることから始まった。印刷業を営む長瀬、元ブン屋で現在は探偵をしている曽根、そして藤堂組によって自動車修理場を焼かれてしまった平田。正木を中心とした彼らは、服部誘拐を計画。乗用車をパトカーに変造して警官に変装すると、計画を実行に移した。だが服部誘拐は成功したものの、長瀬が敵の凶弾に倒れてしまう。人里離れた山中に服部を拉致した正木らは、服部に大きな穴を掘らせる。そして、人一人その中に埋められる大きさになったところで、正木は服部に向かって拳銃の引き金を引いた。だが、弾は服部の横をかすめただけだった。正木は、わざと弾を外したのだ。恥をかかされたために殺せと罵る服部を残し、正木たちは去って行く。それから数カ月後、隠遁生活を送っていた正木の元へ相馬が現れた。相馬は服部に頼まれて正木の消息を追っていたのだ。服部と再会した正木はその男気を認められ、杯を交わすことを勧められるのであった。