「したくて、したくて、たまらない、女。」のストーリー

地方の小さな温泉旅館のひとり息子で、東京の大学から帰省して来たばかりの洋一は、妙な噂を耳にした。それは、最近この温泉にどこの誰か分からない美女が出没するというものだった。中居のミキの旦那や番頭の喜六らの話によると、セックスの方も抜群だという。洋一は小学校の教師をしている恋人の房子と、久しぶりに毎日のように肌を重ねたが、次第にその噂の女のことが気になってくる。そんなある日、東京から雑誌の記者がやって来て、その女の正体をつかんだ。彼女はかつての銀幕のスター・杉田ひかるの若い頃の姿で、その昔失った恋に悔恨の念を抱いていた彼女の思いが、昔の姿となって出没していたのだという。それが明るみに出た時、今はすっかり醜悪な老婆となったひかるが、入院中の病院でひっそりと息をひきとっていた。その後、洋一は再び東京の大学へと戻っていくが、彼の耳には、ひかるの残した「年取ってからいくら後悔してもヤレないよ」の言葉がいつまでもリフレインしているのだった。