「軍法会議(1928)」のストーリー

1865年、南北戦争も終焉に近づかんとする頃、西部に独立反逆団が多く盛んに政府に応戦した。政府は能くこれを征服したが、最後にベル・ストーンなる女を首領とした一団が残って頑強に抵抗を続けていた。手を焼き窮した政府はジャック・カムデン大尉を密にベル・ストーン逮捕に派遣した。ジャックは快活な青年将校で、道に悪魔のドウスンというベル・ストーンの一味に加わらんとする兇漢を襲い、彼を獄に送る一方、彼の短銃を引き換えとして何なくベル・ストーンの一味に紛れ込む事を得た。しかし、彼がベル・ストーンの口から彼女の政府に反抗する涙ながらの物語を聞かされた時に、彼の心は変じてベルに同情する様になり、その同情は日の経つに連れて、二人の間に恋の花を咲かせるようになった。そして彼は幾度かベルに自首を促したが、彼女は容易にそれを聞き入れなかった。その内に獄に繁がれていたドウスンは一夜闇に紛れて脱獄し、一路ベル・ストーンの集落に向かった。彼の到着によってジャックの本身は暴露されようとしたが、その時、ジャックはベルを山に誘い出して己れの名を柘植、彼女の縛に就く事を促した。愛と信頼とを裏切られたベルはジャックを私刑に処そうとした。が、一同に引き立てられて行くジャックの姿を見た時、ベルは一旦は個の凝れ斯く言い切ったものの、そこは女の事とて決意が鈍り、処刑を止めさせた。翌日鵜二人は共にこの一団を逃るべく山を肥えたが、その時、騎兵の一体に逢遇した。ジャックはベルを逃してその身は捕らえられ、遂に軍法会議に於いて私刑の宣告を下された。早くもそれを知ったベルは自首してジャックを救おうとしたが、団員の遮る所となり、監禁されてしまったが、彼女は隙を覗って逃れ、白馬に跨がり、刑場さして馬を走らせた。それと知った一団の者どもは彼女の跡を逃すまじと激しく追跡したのである。背後から受ける弾雨を潜ってベルが辛くも刑場に到着し得た時は、彼女は既に深傷を被ってその命は幽明二界さまよ彷徨って居た。彼女の心づくしによってジャックは危く刑から救われたが、彼を助けたベルはジャックの腕に抱かれながらこの世を去って行ったのであった。