「くノ一忍法帖 自来也秘抄」のストーリー

江戸時代。伊勢津藩・藤堂家の長男・蓮之介が、江戸城内の大奥において変死するという事件が起こった。この無礼によるお家存亡の危機を回避するため、藤堂家当主・和泉守は権力者・中野石翁の勧めで将軍・家斉の第33子・石五郎を、娘・鞠姫の婿として迎えることになる。ところが、石五郎は頭が弱く子供のような男。兄の死因を探ろうとしていた鞠姫にとっては、汚らわしくて仕方がないのであった。その頃、伊賀服部郷では忍者頭の蛇丸によって、石五郎殺害計画が着々と練られていた。蛇丸の目的は服部家の領地だった伊賀を奪った藤堂家の血を絶やすこと。蓮之介を亡き者にしたのも、蛇丸の操るくノ一たちの仕業であった。蛇丸の手引きで城内に潜り込んだ四人のくノ一は、石五郎に忍法精水波をかけようと、次々と色仕掛けで迫り始める。だが、その計画は突如として現れた自来也なる白装束の忍者によって狂わされた。くノ一たちを殺されてしまった蛇丸は、謎の人物・自来也をも倒すべく様々な忍法を駆使して戦いを挑んでいく。だが、壮絶な忍法戦の末、勝利を緩んだのは自来也だった。こうして自来也のお陰でお家存亡の危機を免れた鞠姫は、自来也の正体が頭の弱いふりをしていた石五郎と、石五郎を守って死んでしまった彼の側近・蟇丸の二人であったのを知り、一生を石五郎と共に過ごすことを心に誓うのであった。