「大いなる学生」のストーリー

地球パトロール軍や“宇宙空港建設予定地”という看板が日常の中に埋没している百年後の未来。知人の告別式に出席するため、知らない駅に降り立った小森は道に迷うが、それを助けた妙に世間慣れした口をきく男は、偶然にも幼稚園時代の同級生・植田だった。植田は、字の読めない小森に宇宙空港建設反対運動を手伝わせたり、虚無的で乱暴な友人・鈴木に引き合わせたりする。わけの分からないまま植田のペースに巻き込まれていた小森だったが、次第に、植田の大きすぎる野望と気の小ささに気づき、なぜか暖かな気持ちを抱いていく。