「グレート・スタントマン」のストーリー

ハリウッドでも一流のスタントマンであるフーパー(バート・レイノルズ)は数々の離れわざのたびに傷痕を残していたが、それも生きてきた誇りとなっており今日も新作「危険を笑うスパイ」の撮影で荒わざをやってのけたところだった。その彼のところに同業のカリー(ジェームズ・ベスト)、助監督のトニー(アルフィー・ワイズ)、フーパーが替え玉をつとめているスターのアダム(アダム・ウェスト)らがよってきた。しかし、得意満面のフーパーに監督のディール(ロバート・クレイン)の態度は冷たく、フーパーを無視する始末。カッとなったフーパーは数年間手術しつづけて必ず動きの後に痛みがはじまる場所に、カリーに薬をぬりこんでもらった。製作者のバーンズ(ジョン・マーレー)だけは父親のように気をつかってくれていた。同棲中の恋人グエン(サリー・フィールド)に説得されてスタント・ショウに出ることになったフーパーは、当日、グエンの父で名スタントマンのジョッコ(ブライアン・キース)たちの名演技のあと、注目の若者スキー(ジャン=マイケル・ビンセント)をはじめて見た。彼の若さと美貌は会場を眩惑させるが、馬のひく戦車に乗ったフーパーの完全な勝利に終わり、彼の自尊心は保たれた。撮影がクライマックスに近づいた時2人の離れわざ合戦に刺激されたディールはシナリオにないアクション・シーンをつけ加えたいと言い出し、橋がふっとんだあとの峡谷をロケット・カーでジャンプさせることを思いつく。そんな中、卒中で入院したジョッコがスタントマンの人生のむなしさを嘆きながら息をひきとった。背中の痛みをおさえながら、クライマックス・シーンに、途中ためらいをみせたスキーの言葉も無視して挑んだフーパーは、みごと峡谷を飛びこえた。めずらしく賞賛の言葉を洩らしたディールの前に、いつスタント稼業をやめても思いなおすことのない晴れやかな心境のフーパーがいた。

今日は映画何の日?

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