「悪魔に支払え!」のストーリー

テキサスの田舎町スパーラインに独裁を誇るレンチラー(オーソン・ウェルズ)--法律を無視し、権力を振るう彼に町民は、そのいいなり次第だ。というのも、レンチラーの経営するゴールデン・エムパイア農場の援助で、人口15000のスパーラインは辛うじて町政を切り盛りしていたからである。ある夜、この農場の若いメキシコ人農夫ホアンが農夫頭エドとチェットの2人につるはしで僕殺されるという事件が起こった。これを盗み見たホアンの親友、老農夫のジーザスは翌朝スパーラインの町に行き保安官ベン・サドラー(ジェフ・チャドラー)に前夜の事件を訴えた。ベンの助手アブは農場内の問題には手を出さぬ方がいいと忠告するが、ベンは調査を決意、ジーザスを唯一の目撃者として、その友人クレイの家に隠れさせた。ついでベンは農場を訪れレンチラーに事件の調査を申し入れたが、レンチラーは拒絶、農場に関しては口出し無用と脅した。がベンが帰った後レンチラーはエドを呼び、娘スキピイ(コリーン・ミラー)と恋仲だったホアンへの仕打ちが無謀すぎたと責め、その揉消し工作を命じた。その娘スキピイは秘かにベンを訪ね、エドが、彼女とホアンの仲を嫉妬していたと告げた。スキピイの帰った後ベンの許へレンチラーの命を受けたチェットが訪れ、酔っ払い運転で自分が謝ってホアンを轢き殺した、と偽りの告白をして帰った。がベンは死体を調べ、ジーザスの証言の正しいことを確認した。彼は、後難を恐れて中止を申し入れる町民の言葉を蹴って独り調査の続行を決意、レンチラーの留守に農場で証拠になる納屋の血痕を床から削り取った。が、ベンもレンチラーの奸計によって自ら負傷、隠しておいた証人ジーザスも殺された。その上、家には投石され、妻のヘレン(バーバラ・ローレンス)は終日、何者かの脅迫の電話に悩まされ続けた。町の有力者は再び調査の中止を迫った。聞き入れぬベンは今度はチェットらに捕まり町中をトラックで引きずり回された。怒り浸透に発したベンは手当が終わるや保安官のバッジを町の有力者に叩きつけ、単身ライフル銃を手に農場へ自動車で乗り込んだ。殺されたジーザスの友クレイが味方にきたが忽ち彼はナイフで刺された。この時になってようやく義憤を感じた町民たちが応援にかけつけた。激しい射ち合いの末、ベンは遂に町の悪魔レンチラーに手錠をかけた。ベンの胸には新しい保安官のバッジがつけられた。