「黒時計連隊」のストーリー

欧州戦争が始まった時「黒時計連帯」の別名を以て鳴響いていたスコットランド第42連隊の将校達は出生の前晩祝宴を張っていた。列席していたドナルド・キング大尉は突如本部に呼ばれて即刻インドへ出発せよとの秘密命令を受けた。それはインドに於ける守備軍の減少に乗じて反乱の兆しがあるため、土俗に精通しているキングが暴徒を事前に潰滅せしめるのに最も適任である故であった。黒時計連隊は勇ましくフランス戦線へ出発した。そしてキングは卑怯者としてあとに残された。インドに着いた彼は先ず酒浸りとなって揚句の果ては酒場で乱暴を働き人殺しをした。キングは軍法会議にかけられ銃殺と決定したが当日になると彼は脱走して、怪美人ヤスマニ邸に逃込み事情を打明け隠まってくれと頼んだ。ヤスマニは快諾した。これは凡てキングの予定の行動であった。ヤスマニこそは反乱の女首領であったのである。キングは巧みに彼女に取り入ってその信任を得、遂に彼等の本体である山塞に入込むことが出来た。山塞の密室で彼は危うくヤスマニの怪しき魅力に囚へられて重大な指名を忘れようとしたが、流石は黒時計連隊中の猛者だけに決然として奮起した。その頃には反民共の準備は既に整っていたが英軍の士官達が変装して士兵に混るべき準備行動も終わったので、キングは時期を失せず、かねての合団をした。密かに運ばれた機関銃数台は銃口を揃えて反民共の面前に向けられた。かくて一味は全滅した。ヤスマニもキングに抱かれ死んだ。使命をまっとうしたキング大尉は殊勲者として帰国した。