「黒い罠」のストーリー

新妻スーザン(ジャネット・リー)と新婚旅行へ出発のため、国境の町にやってきたメキシコ政府特別犯罪調査官マイク・ヴァルガス(チャールトン・ヘストン)は、アメリカ領へ入った時、2人を追い抜いた豪華な乗用車が突如爆発したのを目撃した。ヴァルガスは職業がら、妻をホテルに帰して、休暇中にもかかわらず調査をはじめた。間もなくアメリカ側の警官がやってきた。捜査担当のハンク・ウィンラン警部(O・ウェルズ)は、足が不自由で、獰猛な性格の巨躯の持ち主で、自分の担当した事件でかならず犯人を挙げる男として知られていた。爆発した車中の2死体は、若いストリップ・ガールと町の富豪リネットカーのものと判明した。クィンラン警部はヴァルガスの介入を嫌ったが、上司の命令で協力を余儀なくされた。スーザンは現場からホテルに帰る途中見知らぬメキシコ人に情報提供をタネに誘われ、安ホテルでメキシコとアメリカをまたにかける暗黒街の顔役アンクル・ジョー・グランディ(エイキム・タミロフ)から、麻薬密売容疑で捕われている彼の兄の調査から夫の手を引かせるよう脅迫された。妻をアメリカ側ホテルに移したヴァルガスは、クィンランと共にリネカーの娘マーシァ(J・ムーア)と、若い夫サンチェスを尋問した。しかしアパートの洗面所の靴箱からクィンランが爆発の時のものと同型のダイナマイト発見した時、ヴァルガスは疑問を生じた。彼が先刻洗面所に入った時、箱は空だったのだ。念のためクィンランの扱った事件の記録を調べた彼は、このアメリカ警察の英雄の数々の功績が、無実の罪を強引に作り上げる虚偽の工作から成立しているのを発見した。弱味を探られたのを知ったクィンランは顔役グランディと図ってスーザンを誘拐し、麻薬窟に彼女を半裸にして失神させておき、彼女のストッキングでグランディを絞殺し、死体を傍らに放置した。スーザンは逮捕された。この時、クィンランの部下メンジスが、グランディの死体の近くで、クィンランの常用する杖を発見し、ヴァルガスに協力を誓った。マイクロフォンを服の下に隠したメンジスは、クィンランを誘い出して無実の罪を作った事実を聞き出し、ヴァルガスが形態無電録音器にこれを録音した。しかしコンクリートの橋に2人がさしかかった時、反響から、クィンランは事情を察知した。怒ってメンジスを射ったクィンランは、素手のヴァルガスに1弾をうち込もうとした時、瀕死のメンジスがはなった弾をうけて射殺された