「悪魔石」のストーリー

ブリタニーの海岸に住む漁夫の娘マーシアマノットは大きなエメラルドを発見した。この宝玉については昔から奇しき伝説が伝えられている。かつてこの宝玉は所有者であった基督教徒の手から異端者によって奪い去られたため、持主の手に帰るまでは悪魔のように、持つ人に何か災いをするという。この漁場の所有者米国人のサイラス・マーティンは宝玉を手に入れんとマーシアと結婚して米国へ帰る。しかし欲一方のサイラスに真の愛のあろうべき、マーシアは憂き月日を送らねばならなかったが、彼の若き支配人スターリングは孤独に泣くマーシアに同情していた。すでに宝玉を妻の手から盗み取ったサイラスはこれをよきこととし妻を離別しようとする。マーシアは宝玉を要求したが、無法にもサイラスは彼女に打って掛るので、身を護るため彼女は夫を打ち倒した。警察は犯人を捕えることができなかった。スターリングはマーシアと結婚した後探偵ロバート・ジャドスンに依頼して犯人を捜索せしめる。事情を知ったロバートはマーシアをして宝玉をブリタニーの教会へ返さしめ、事件を己が胸中に畳んで敢て犯人を暴こうともしなかった。