「幾山河」のストーリー

京都の富豪山村家の令嬢広子は家庭教師川瀬に思いを寄せその下宿へ家出してしまう。川瀬は父の危篤の電報に郷里沼津へ発つと広子は彼を追って行く。下宿の娘初枝は広子に野心を抱く山村家の執事塚本の執拗な追及に対し山村をかばって恋人は自分だと言い切る。その場でこれを聞いた初枝の許婚小泉は初枝の幸福を願う心から沼津の川瀬を訪れ初枝の意中を伝えようとするが、そこで広子に引きづられている川瀬の姿を見、帰宅してこれを初枝に告げる。初枝は嫉妬から二人の居所を山村家へ電話で報じる。反省して川瀬へ電話で追手の向かうことを知らせる。沼津を逃れて東京に来た川瀬、広子は遂に離れられぬ間柄である。しかし生活は苦しく広子は川瀬の心を信じ切れず京都へ帰り初枝に上京をすすめる。初枝はようやく希望を持って川瀬の許へ出発する事が出来るのであった。