「昭和鉄風伝 日本海」のストーリー

昭和の末期、土地高の波は人の価値観を変え、急激な変化は東北の日本海側の地方都市にまで及んでいた。この地には古くから任侠道に重んじる矢留組と振興組織の川辺組があった。リゾート開発を目論む関西の悪徳不動産会社の竹花興業は関西竜神会と川辺組に接近を図っていた。矢留組の顧問・八能が刺客に刺され、居合わせた矢留組若頭・修司も怪我を負う。血気盛んな矢留組の若衆は川辺組にけんかを仕かけるが、矢留組組長の政吉はそれを止める。この知らせを受けた修司の腹違いの弟・鉄男は関西の極道修業から町に舞い戻って来た。鉄男は、父・政吉と修司の昔気質なやり方に反発、鉄風隊という愚連隊を組織し、連れ合いの歌手・美佳を川辺組のクラブに出演させ、縄張り荒らしを始める。それによって川辺組と矢留組との対立は更に悪化。川辺組と竹花興業は鉄男と修司の折り合いの悪さを利用し、接近を図った。鉄男は、自分と鉄風隊の将来をかけて、川辺組の申し入れを受け入れるが、鉄男らの行動により勢いのついた川辺組は、関西の竜神会若頭・松井率いる軍団を呼び寄せ、一気に矢留組へ攻撃を開始する。そのころ、鉄風隊隊員であり美佳の付人の敏樹が何物かに殺される。矢留組のしわざだと誤解した鉄男は修司を殺しに行くが、修司は、鉄男の目の前で松井に殺されてしまう。行き場をなくした鉄男と鉄風隊は、だまされ続けた復讐に川辺組と竜神会へ殴り込みをかけるのだった。