「国なき人」のストーリー

1807年、米国陸軍の青年将校ノーラン中尉はビッセル少佐の愛娘アンと恋仲であっ た。彼は母の誇りであり、軍隊の花形であったが、一日アアロン・バー大佐の探検隊が立ち寄り、ノーラン中尉はバー大佐にその勇気を称賛されて、青年の客気に逸り、政府に反旗を飛ばさんとする大佐の味方になろうとした。彼は軍ぽう会議にふせられたが、興奮のあまり彼は祖国を罵り、再びアメリカは見たくもないと言い放つ。これがため彼は一生を船のうちに、陸地からの交通を全く断たれて監禁される身となって、ニューオリンズから米国海軍の軍艦に乗せられてしまった。年月は流れたが、彼には一切故国の便りは答えられなかった。母の死さえも彼は知らなかったが、一日アルジェリア沖で黒人を運ぶ海賊船と軍艦とが戦端を開いたとき、彼は勇敢に闘って敵の船長を倒した。かくてもなお彼に赦免は下りなかった。1863年、彼が56年の海上生活を送って、齢80に達し、死の床に就いたとき、大統領リンカーンから初めて赦免の命令が来た。これは長の年月、代々の大統領に彼の赦免を彼の恋人アンが請願した結果なのであるが、彼は淋しく、心のうちには燃えるがごとき愛国心を抱きつつ、国なき人として死んでいった。

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