「曲者揃い」のストーリー

銀行家の一人娘セリア・メーソンは劇作家たらんと志していたが、ある晩観劇の帰るさ顧問弁護士のマーシヤル・ストーンと見て来た泥棒劇を論じた末自分ならもっと良い者が書けると云った。そしてストーンから聞いた悪漢周旋業のジョン・バートンが彼女の嫌いな劇の作者とは知らずに興味を持ち始めた。バートンが彼女に悪漢研究など不似合いなことは止めると忠告したので意地になった彼女は夜会を催す折りに数名に悪漢をお客として伴って来てくれと頼んだ。令状の悪戯っ気をためる心算のバートンはバート、フォスター、コクシイ等の腕利きと男蕩しのフロラは伴って乗り込んだ。そして24時間後にはフォスターは実石をトランク3個分盗み、フロラは15人の富豪を蕩して強請の材料を握り、コクシイは住宅詐欺数件を働いていた。それ等の盗品や証拠物件は全部メイソン家の金庫が開かれんとするやバートは這入って来て探偵が近づいていることを目配せした。一旦手を引いた4人の悪漢は探偵の油断を見澄ましセリアに彼が前以て金庫から出して置いた盗品を示し、それを探偵ポツツが目につくまに置いた。そこでセリアはバートンが例の泥棒劇の作者であることを知り、2人は改めて新しい泥棒劇「曲者揃い」を執筆した。