「禁断の惑星」のストーリー

西暦2200年、高度に文明の進んだ地球人は、他の遊星に植民を行い、光より速いスピードの原子艇で宇宙を駈けめぐる。アダムス機長(レスリイ・ニールセン)の遊星連合、宇宙巡察機Cー57ーD号は惑星第4アルテアに赴く。艇の任務は20年前、この惑星に派遣・消息を絶った科学者の一団を探すことだった。惑星には、科学者団の一人、哲学、文学博士で言語学者のエドワード・モービアス博士(ウォルター・ピジョン)だけが生き残っていた。彼はこの惑星で生れた娘アルティラ(アン・フランシス)と、彼の造った精巧なロボットを使って生活していた。アルテアにはかつて強大なクレール人が住み2万年以上前の全宇宙を支配、アルテアを不可侵の星“禁断の惑星”としていた。調査団はその怒りにふれ皆殺し。しかし人類より数百万年も進化したクレール人は、精神内部の完成直前、一夜にして滅亡してしまった。博士は一同をクレールの遺跡、原子物理研究所へ案内する。アダムスは感嘆の末、その設備を地球に持ち帰りたいと申し出たが、博士は反対しアダムスらに、早く地球へ戻れという。しかも、ある夜現われた怪物は隊員の一人を殺し、やがて原子艇を襲った。応戦する隊員も怪物の敵ではない。博士の言動を疑うアダムスらは不在中書斎を調べ、彼の秘密を知る。20万年前滅びたクレール人の残した怪物、いわば“観念の具象化”ともいうべき、考えたことが直ちに実現するという存在に博士は“悪”の面を利用隊員を襲わせたのだった。秘密を知られ、心の平静を失った博士は誤って怪物に襲われる。彼は娘の命を助けるため連鎖反応で実験室を破壊し博士と怪物、そしてアルテアは永久に宇宙から消滅。アダムスの艇はロボットのロビイとアルティラを乗せ、爆発寸前に辛うじて惑星から脱出した。