「兄とその妹(1956)」のストーリー

東京山手に住む会社員間宮敬介は妻あき子、妹文子と仲のよい三人暮し。だが敬介は最近、部長の碁の相手で帰宅が遅いのであき子と文子はお冠り。同僚行田も親切ごかしに注意するが敬介は平気である。文子は外国人商社に英文タイピストとして勤めている。一昨日、会社へ遊びに来た道夫という青年は、文子が英語に熟達とも知らず、支配人に向って英語で文子のことをこきおろし、種明しに慌てて逃げ出した。その彼が今日も現われて、先日は大へん失礼と食事に誘ったが、デマカセに主人が待っているからと断って来たとあき子に報告。未婚の女性にとっては大事件である。数日後の文子の誕生日、早く帰ってほしいとの電話にも、部長に碁をさそわれている敬介は大弱りである。家では文子の友達たちが集って、ささやかな誕生祝い。そこに道夫から贈り物の花が届く。ある日、敬介は部長の甥が文子をもらいたいといっていると聞く。部長の甥とは道夫青年。妹の意志を聞こうと敬介は食堂で待ち合せを約束したが一足先に来た文子は、敬介に対する同僚達の嫉妬の言葉を小耳にはさむ。日曜日、久しぶりに揃ってピクニックに出た敬介達。昼食の時、縁談を切り出す敬介に、兄の立場を考えた文子は断ってほしいという。翌朝、出勤した敬介は意外にも部長に呼ばれて係長に任命される。だが喜んで部屋に戻ると先日、課長から係長に左遷されたのを敬介の策動と誤解した林に殴りつけられ、憤然として辞表を書き、会社を飛び出す。事件を知るよしもないあき子は、本当は道夫が好きらしい文子の気持を察し、三人で一度話し合おうと諭す。興奮もさめた敬介は夜の街をさまよう中、親友内海の経理事務所を訪れ、彼の仕事を手伝うことになる。生色を取戻した敬介は、新しい職に就いた以上、妹も嫁に行けると喜んで終電で帰って行った。

今日は映画何の日?

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