「禁じられた家」のストーリー

貧民窟から身をおこし高級売春宿の女主人になったポリー(シェリー・ウィンタース)の過去は、確かに波らんに富んでいた。彼女が働いていた工場の女工監督バーニーに犯されてから転落がはじまった。女工仲間の紹介でフランク(ロバート・テイラー)という政治ゴロにひろわれ、ニューヨークの高級住宅地で売春宿を持たされるようになってから彼女は名物女になった。そこを舞台に政界や財界の大きな取り引きが行なわれていたのだから当然だった。ある日彼女がダンスホールに昔の友達に会いに行ったとき、バーニーがきており彼女に情交を迫った。ダンスバンドの歌手ケイシーはこれをみてバーニーをなぐりつけた。ポリーはケイシーに想いを寄せるようになったが自分の稼業を思うと諦めの方が先にきた。彼女はケイシーのために旅興行のあっせんもしてやった。そしてケイシーの求婚をうけたとき、自分の身分を初めて告白した。商売が繁盛すればするほど、ポリーは熱意を失なうようになった。そのころ、暗黒街のボス、ルチアノ(シーザー・ロメロ)の売春宿の恐喝事件が明るみになった。公判が開かれれば彼女も証言台に立たなければならないだろうし、今までのように稼業を続けていくことはできないだろう。それでも、ケイシーに対してだけは、どうしても自分自身が許せなかった。