「金貨狂想曲」のストーリー

マリリン・パーカーは良人のレックスとヨーロッパへ旅行する予定であったがカリフォルニアから母親のアサートン夫人が上京してきたので取りやめにし良人だけ旅行させることにした。で彼が帰ってくるまでマリリンは母とアパート住まいをすることにきめ、パーク・アヴェニューで一部屋を借りることとなった。ところがそのアパートでマリリンは意外にも良人レックスの写真が飾られてあるのを発見した。この下宿の女將は実はレックスの囲い物だったのである。マリリンも女、自分に隠れて情人をこしらえている良人の浮気を知って平然としていられるわけがない。彼女は早速レックスに対抗して相当の女になろうと心に決めた。彼女は名を偽ってそのアパートを借りた。そしてそこに働いているセプテンバーという黒人の女中をダシに使い玄人筋の女という触れ込みで住むことになる。さてそんな調子でそうした社会の女共と交際ふうち彼女は甘い男を自由にする秘法を知ってしまった。やがてボイス・キャメロンという椋鳥が引っかかって来た。マリリンは腕によりをかけてボイスの心を掴もうと力めた。何も知らない母親のアサートン夫人は娘の変わった行動に呆れるばかりであった。芝居をしていることなど夢にも知らぬボイスはマリリンが商売人のおんなだとばかり信じきって贅沢なアパートをあてがい、小切手帳を渡し、彼女の御機嫌をとるために好き勝手なことをさせた。がもとよりそれが目的でないマリリンはボイスの甘たるい親切心なんか尻目にかけて突如姿をくらましてしまう。家へ帰った彼女は電報を受け取った。良人が旅から帰るという知らせだった。やがてレックスは帰って来た。そして妻の意外な変わり方に驚いた。ボイスのことから不愉快な感情を持たされたレックスはマリリンを連れて家に帰ったがマリリンが逆襲する前にクラブへ行くと言って家を飛び出して行った。マリリンが尾けて行くと良人は案の定、欝を晴らすために情人ペギーのところへ行った。そこで最後通牒を発したマリリンは母と連れだってカルフォルニアの実家へ帰る決心をした。がレックスは心の中では妻を深く愛していた。そして召使いからすべての事情を聞き始めて妻の気持ちを知った彼はマリリンの後を追った。