「乞食大将(1952)」のストーリー

豊前中津の城主黒田長政は領下の豪族城井谷の宇都宮鎮房と戦い大敗するが、その臣後藤又兵衛の夜討が効を奏して遂に宇都宮勢を破って鎮房の子花若と妹鶴姫を人質とした。長政は更に鎮房を騙し討ちにしようとした。又兵衛は日頃鎮房と一騎打ちの勝負をしたいと願っていたが騙し討ちは御免だと反対するが、結局他の者たちに討たせるよりはと、廊下で一戦を交えてこれを討ちとめた。その功により、若花、鶴姫の命乞いをした上、長政の下を去った。時は流れ、又兵衛は自分に従う家来たちをひきつれ諸国を流れ歩いていた。花若も立派な若武者になり鶴姫は剃髪をして尼になっていた。慶長十九年、徳川と豊臣秀頼が最後の一戦を交えんとしたとき、又兵衛は徳川の招きをふり切って敗色の濃い秀頼方へ進んで味方した。そしてかつて自分が討った鎮房の子に討たれてやるのであった。