「暁の出撃(1970)」のストーリー

第一次大戦のさなか。現在、イギリス兵の人気の的である歌手のリリー・スミス(ジュリー・アンドリュース)とその叔父は、実はドイツの女スパイ、リリー・シュミットと上司のクルト・フォン・ルガー(ジェレミー・ケンプ)であった。その彼女が、皮肉にも、士気鼓舞の名目で、レジョン・ド・ヌール勲章をうけることになった。パリへ発つ前の晩、彼女はルガーから、連合軍空軍の新しい動きを探るという任務を言い渡された。パリへ着くや、さっそく彼女は行動にうつった。彼女は、独身でプレイボーイの、飛行中隊長ララビー少佐(ロック・ハドソン)に近づき彼を夢中にさせてしまった。そして、何度目かのデートの日、リリーは彼の口から、改良された米軍機の正体をつかんだのだった。しかし、その情報をうけたルガーは、彼女がララビーに対し、仕事をこえた感情を抱いていることに気づいた。そうしたある日、彼女はフランス情報将校リゲット中尉(アンドレ・マランヌ)とデュバル少佐(ジャック・マラン)の訪問をうけ、ララビーの調査を依頼された。出撃から戻ったララビーとリリーが一緒にいる所へ、部下のカースティアーズ(ランス・パーシバル)がやってきて、“クレープ・スゼット作戦”の話を口に出してしまった。リリーはこの作戦を心にとめながら、ララビーと週末をすごすため、ホテルへ向かった。2人だけの甘い夜をすごしているところへ、ララビーがリリーの行動に気づいているらしい、とルガーから連絡が入った。ララビーの話がすべてでたらめだとすると、“スゼット”というのは、ララビーの女のことではないか、とかんぐったリリーは、嫉妬に燃えた。別れ際に仲直りはしたものの、すてきな週末は吹きとんでしまった。やがて、リリーは再び、リゲットとデュバルの訪問をうけ、“クレープ・スゼット”が、ララビーの付き合っていたドイツの女スパイであったことを知り、ララビーとスゼットを罠にはめ、反逆罪の容疑を着せてしまった。しかし授勲式の最中、ララビーがリリーのために、スゼットと別れようとしていたということを聞き、急いで彼のところへかけつけ、自分の身を明かし、自首してララビーの潔白を証明すると言った。リリーがリゲットたちにすべてを告白しようとした時、彼女はルガーにさらわれてしまった。一方、衛兵を突きとばし、T・Cとともにリリーの後を追ってきたララビーは、リリーをのせて行った飛行船を戦闘機で追い、その飛行船をスイスに着陸させることに成功した。リリーをスイスに待たせておき、戦争が終わった時、彼女を迎えにくると、ララビーは誓った。(パラマウント配給*2時間16分)