「恐竜時代」のストーリー

燃えたぎる太陽から飛び散った火の玉が冷え、月となった。地球に住む原始時代の岩族の人々は、突如、地表に生まれ出た隆起を美女サンナ(ビクトリア・ヴェトリ)の責めに帰して、彼女に死を宣告した。自然の驚異をしずめるために彼女をいけにえにしようというのだった。かろうじて“いけにえの儀式”を逃れたサンナは、大龍巻に吹き上げられて大洋に落ち、あぶないところを漁師タラ(ロビン・ホードン)に助けられる。赤銅色に逞しいタラは岩族の隣に住む砂族の人間であった。タラに恋の炎を燃やしていた少女アヤク(イモゲン・ハッサル)は、サンナに対するタラのうち込みように激しい嫉妬を覚えるのであった。サンナを脅かしたのはアヤクだけではなく、太陽に対するサンナの侮蔑が天空に恐ろしい劫火をもたらしたと信じる岩族首長のキングサー(パトリック・アレン)もそうであり、彼はどこまでも追ってきた。おかげでサンナは、怪物や大蛇や、食人植物の徘徊する土地を逃げ廻り、とうとう恐竜の住処にたどりつき、彼らに迎え入れられて住みつくことになった。一方、サンナの行方を探しに出たタラは、三頭獣に襲われて傷ついていた岩族の戦士ケイン(ショーン・キャフリー)を救い、看護をウリド(マグダ・コノプカ)にまかせた。傷が癒えたケインを岩族に送り返しにいったタラは、帰路、夢にも忘れえぬサンナが恐竜に追われて逃げているのを見つけ、助けに走る。しかし、追われていたのではなく、彼女が恐竜と遊んでいたのを知り、驚いた。そして、しばらく2人は恐竜の谷間に幸せな時を過ごす。しかし、サンナが岩族に発見されてしまう。久し振りに集落に帰ったタラはキングサーの来訪を受け、非難を浴びる。サンナの居場所を喋らぬタラに業をにやした連中は、燃えるイカダに彼をしばりつけ、大海に放り出してしまう。かろうじてイカダから逃げたタラは、大蟻に襲われているサンナを助けに戻って、再び2人とも捕えられてしまい、浜辺で火あぶりの刑に処せられることになった。その時である。月の引力が初めて地球の潮の満ち引き現象をもたらし、大津波が島を洗って、すべてのものを海にもち去った。タラとサンナとケインとウリドは互いに助け合ってイカダで難を逃れる。津波の脅威が去った浜辺には、累々たる死体の山が残っていた。生きながらえた4人は、新しい世界へ、未知の世界をめざすことにした。やにわに月の光がその明るさを増し、彼らを招くような輝かしさを示していた。