「恐怖の一夜(1950)」のストーリー

大都会の裏街にある聖スティヴンス教会は、貧しい教区をかかえ、伝導にもいつも苦難がつきまとった。助手のヘイマー神父はこの教会を去りたいとロス神父(ダナ・アンドリュース)に申し出たが、そのとき、ロス神父はかつて自分がある若い殺人犯によって真の神の道を教えられた体験を語った。その青年はマーティン(ファーリー・グレンジャー)といい、花屋に勤め病母を養っていた。僅かな給料で彼は母に満足な手当もできず、恋人ジュリー(マラ・パワーズ)との結婚も思いもよらなかった。やがて母は死んだ。当時教会はカークマン老神父が管理し、ロス神父は助手だった。老神父はかつてマーティンのならずものの父が自殺した時、神に背いた自殺者は葬れぬと教会葬を断ったことがあり、マーティンはそれ以来教会を憎んでいた。だから信仰の厚かった母には立派な葬式をと激しく要求したが、老神父は丁度娘のリタ(ジョーン・エヴァンス)が家出したという報せに不機嫌だったし、貧しい教会にとって応じかねる要求だったので拒絶した。マーティンは逆上して老神父を殺害し、帰途、映画館の売上金強奪犯人と間違われ、警察へ連行された。しかしロス神父の弁護で確証のないまま釈放された。その間に母の遺骸は葬儀社に移され慈善葬の手続きがしてあった。映画館強盗の犯人グレイグは、神父殺しの容疑で逮捕された。一方、マーティンは花屋の主人に葬儀のために花を大量に貸売りしてくれと頼んでクビにされてしまい、更に葬儀社に来て金はあとで払うから立派な葬式をしてくれと頼んだが、これも相手にされなかった。彼はジュリーに真実を告白しようとしたが言い出せず、それとなく彼女に別れを告げた。目撃者による、殺人容疑者の首実験の結果は、証人の錯覚からクレイグが犯人と指摘され、マーティンに対する嫌疑は晴れた。しかしマーティンは良心の呵責に堪えかね、母の遺骸の前で泣いて告白した。この告白をいつかロス神父は彼の後で聞いていた。マーティンは心から悔いて自首して出た。ー―ロス神父の話で、ヘイマー神父はこの教区のためにつくす勇気が湧いてきた。

今日は映画何の日?

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