「狂人大車輪」のストーリー

英国の貴族ヒュー・ウェンライト卿が伯父の遺産のカリフォルニア州の土地を相続すべくキャンベリア号で出帆せんとする間際ナンシー・パートンという美人を救って乗船以後、結局それを好いことにしてナンシーのところへ従者として雇われた。ナンシーの叔父ティモシー・バートンは相場成金で社交界に野心を有する妻に強いられウィンライト卿の渡米を幸いニューヨークに迎えて社交界に評判を揚げ様とたくらみ、姪のナンシーを連れて今英国に滞在中であるが卿かキャンベリアで出帆したものと信じ次の便船で帰途に就いた。船内ラジオの通信によりキャンベリア号が沈没して乗客は1人も助からなかったというのに驚きバートン夫人は従者ホーキンス(実はウェンライト卿)をタッタートン卿という出鱈目の貴族に仕立ててニューヨークの社交界に紹介して一花咲かせ様と計る。これが首尾よく成功した後でティモシーは死んだと思うウェンライト卿の土地を没収する積もりでカリフォルニア州へ急行した。従者ホーキンスは土地の管理人に予め身分を明かしてその土地の先取権はホーキンスがウェンライト卿だと名乗り剰さえナンシーと結婚したいと云い出したのでてっきり気が狂ったものと思い精神病院に入れることにした。そこでウェンライトはナンシーをつれて脱走し追っ手に捕まった後、英国弁護士の証明に依りようやく万時明白となりナンシーと結婚した。