「赤い槍」のストーリー

アフリカのケニア地方にマラ族という温順な1族があった。この種族には祖先から伝わる『真紅の槍』があり、酋長になるものは、この槍で獣か人間を殺して貫禄を示さねばならなかった。そのため他種族の恨みを買うこともしばしばあった。ある日、マラ族の老酋長サリマンがライオンに襲われ、瀕死の重傷を負った。次の酋長になる青年モラシー(モラシー)は、酋長の資格を得るため集落を出て行った。英国から派遣されている保安官ジム・ハンス(ジョン・ベントリー)は、この風習を止めさせるため、マラ族の集落に向かった。彼にはペク・スミス(マーサ・ハイヤー)という婦人記者が同行した。2人は種々の危険を冒して集落に近づき、モラシーが大蛇を殺したところに出会った。ジムは早速、モラシーに、獣を殺すことは良いが人間を殺すことはいけないと説いたが、従おうとせず、翌朝モラシーは、また獲物を求めて出発した。あくる日になっても彼の姿は発見できず、ジムは彼を探して近くのセンジ族の集落へ行った。そこの酋長カワンガはライオンを追っているところだったが、追いついてみるとライオンはモラシーに殺された後だった。カワンガは怒ってモラシーと決闘をはじめたが、そこへ野牛の大群が押し寄せ、モラシーは逃げおくれて重傷を負った。ジムはモラシーを助けて湖畔のキャンプにつれ、傷の手当てをしてやった。その間、ジムとベクは愛し合う仲となり、婚約した。傷がなおったモラシーは、再び槍をたずさえて旅に出た。ジムは彼の後を追い2人で旅をつづけるうちにセンジ族の大群に包囲された。激闘の末、モラシーはセンジ族の酋長を倒したが、自らも瀕死の傷をうけた。ジムは、たとえわずかの間でもモラシーを酋長の位につけようと思って、彼をマラの集落に連れ帰った。モラシーは「真紅の槍」の風習は今日限り廃絶すると宣言して世を去った。