「赤い野獣」のストーリー

ロスの郊外で女が殺されたが、それが猛獣の犯行であったとは想像できなかった。私設動物園を経営するコンラッド(マイケル・ガフ)は猛獣を崇拝して飼う変質者で、妻のエドナ(ジーン・クーパー)、口が不自由な青年カール、雑役夫のジョーと住んでいる。エドナは昔、サーカスのチンパンジーの調教師であった。建設業者のステンゲル(ジェローム・コーエン)は郊外住宅地としてこの動物園の土地に目をつけ、コンラッドに断られて脅迫までするほどの執着を持っていたが、彼もコンラッドがライオンを使って殺した。ある日、ジョーが虎に餌を与えるため檻の中に入ったが、感情の高ぶっていた虎はジョーに爪を立て、気の顛到したジョーは虎を射殺してしまった。これを知ったコンラッドは、彼をライオンの餌食にした。次の日、エドナの旧友が訪ねて来て、彼女にサーカスの仕事を持ちかけた。夫の変質に嫌気がさしていたエドナは喜んで受けることにしていた。ところがその旧友は帰宅して巨大なゴリラに殺される。彼女の死を知ったエドナは夫を疑い、カールを問い正して真相を知る。一方、市警察も度重なる事件にコンラッドの動物達を捜査線上に嗅ぎ出していた。エドナはカールを連れて家出することに決め、豪雨の中で仕度をしていたが、コンラッドに察知され、彼女を猛獣の檻へ入れようとした。この光景を見ていたカールは、その恐怖の中で彼の母もコンラッドにライオンを使って殺された幼い記憶を思い出した。土砂降りの中、コンラッドを絞め殺したカールとエドナの前に、警察の車の光茫があった。