「外交」のストーリー

ヨーロッパの遊園地のあるフランスのドオヴィルである時諸国の外交官等が非公式の会議を開いていた。英国外交官ヘンリー・ウェイスマス卿とその弟ジュリアンとは中国と英国とのある秘密条約の条約文を中国の外交官から手渡された。ジュリアンはその条約文を持ってロンドンへ帰るという重大任務があったが、彼はザアル侯爵夫人の令嬢ドラと恋仲で、結婚式を挙げ新婚旅行を兼ねて本国へ行くことになった。ところが結婚式の夜条約文が紛失してしまった。公文書入れの箱の鍵はドラが預かっていたのでジュリアンは不覚にも新妻を疑わねばならなかった。ドラの母ザアル侯爵夫人の財政は火の車で露国労農政府の代表者バルリン男爵から少なからぬ負債があるので、ドラは母親が盗んでバルリンに売ったと思ったので一切口を封して何事も弁明しなかった。妻を責めても要領を得ないジュリアンは兄と共に条約文奪還の方法を講じることになったがアメリカ秘密探偵ロバート・ロウリーはバルリンの奸計を憎みウェイマス兄弟に加勢した。そしてロウリー探偵の明快な取り調べによって、意外にもドラ母親の親友の如く振る舞っているジッカ伯爵夫人がバルリン男爵の依頼によって盗んだことが明白となった。かくて条約文を無事に取り返したジュリアンはドラと一緒に新婚旅行を兼ねてロンドンに向かった。