「赤い砂塵」のストーリー

1859年、南北戦争開始の気配が芽ばえてきたカンサス地方――騒然たる世情に乗じてカンサスを支配しようと”ジェイホーカーズ”なる無法者の一団が略奪や暴行をほしいままにしていた。ある日、州刑務所からカム・ブリーカー(フェス・パーカー)という男が脱出した。カムはメキシコ戦争の功労者で、暴徒に対抗する自衛団に入っていたがいつか無法者に仲間入り、逮捕されていたのだった。脱出の目的は妻に会うことだったが、自分の農場に来てみると妻はいなく若いフランス人の未亡人ジャンヌ(ニコール・モーレイ)が2人の子と住んでいた。カムは妻がほかの男と駆け落ちし、すてられた揚げ句死んだことを知った。ジャンヌにひかれた彼は2人の子の父親代わりになろうと思ったが、再び北軍に逮捕された。北軍本部に連行された彼は州長官クレイトンから、”ジェイホーカーズ”の親分ダーシー(ジェフ・チャンドラー)を捕らえる代わりに釈放しようとの申し出を受けた。カムは断ったが、妻を死に至らせた相手がダーシーであることを聞かされ、復讐を誓い、投降を装ってダーシーの部下になった。が、ダーシーの腹心ロードンに見破られた。カムの正体はダーシーにもばれたわけだが、しかしダーシーはカムに、自分が彼の妻を死に追いやったことを告白し、自分を気のすむようにしてくれと拳銃を渡した。その率直さにカムは復讐を諦め改めて彼の部下となった。ダーシーは次第に勢力を広げ、その暴行で、ジャンヌの子マルテが怪我をした。ジャンヌはカムに足をあらうよう諭した。カムは秘かにクレイトン長官と会いダーシー逮捕の計画をめぐらした。アビレーンの町に送りこまれた大量の家畜を餌に”ジェイホーカーズ”をおびき出し、そこを北軍に襲わせた。ダーシーは捕まれば絞首刑。ダーシーの人間性に惹かれるカムはそれを見るに忍びず、自らダーシーを射った。”ジェイホーカーズ”は四散、カムはジャンヌと新生活に入った。