「赤い髪」のストーリー

ニューヨーク市のある理髪店に髪の毛の赤いバッブルズ・マッコイという娘が爪磨きとして働いていた。彼女は至って男好きのするタイプの女だった。それで彼女が海水浴にビヴァリー海岸へ出掛けた時も判事レノン、弁護士パーク、医師ギルの3名の紳士が後を追って来た。バッブルズは男たちをおだてて各々から時計や宝石や高価な装身具を買って貰った。彼女は妖婦という種類の女ではなかった、別に悪気はなくただだ面白半分に男たちをからかっているのであった。ところがバッブルズはビヴァリーの埠頭でロバート・レノンという青年に惚れてしまった。その時彼はニューヨーク行きの汽船の甲板から帽子を海へ吹飛ばされたのでバッブルズはそれを取らうとして海に陷り、ロバートは彼女を救はうとして跳込んだ。しかしこれは出帆間際の出来事で両人は名を名乗る暇もなく、しかも帰る心算のロバートが埠頭に残され帰る筈でなかったバッブルズが船に乗せられた侭ニューヨークへ帰った。翌日ニューヨークに帰ったロバートは赤毛の彼女を探し廻った揚句例の理髪店で見つけ出した。かくて2人の恋はたちまち成立し数日を経ずして婚約を発表することになった。ところがロバートの後見人というのが例の3人組の判事レノン弁護士パーク医師ギルだったので、3人は急に一致団結して2人の婚約に反対し、バッブルズは不良の女だからといってロバートに解約を迫った。そして婚約披露の晩に、バッブルズが一時ポーキーという男から外套を借りて着ていたことまで持出してバッブルズの立場を不利にした。すると業を煮やした彼女はいきなり着物や宝石類を自分の身体からもぎ取って、返上するとばかりに鹿爪らしい顔をしている後見人たちに突きつけたので3人組の旧悪が露見してしまった。かくてバッブルズは善良な女として天下晴れてロバートと相抱いた。