「家庭円満」のストーリー

レスター・ナップは或る百貨店の番頭を長年勤めていたが、余り能率が上がらない男で昇給しなかった。妻のエヴァは彼に反して仕事に趣味に持ち家常茶飯事を嫌った。レスターは己が不甲斐ないことを悟って、寧ろ死んでしまって保険金を妻子に得させる方がよいと考え、隣の火事を幸として自殺を計ったが失敗し両方の足の自由を失った。そこで妻のエヴァが百貨店の夫の地位に坐わり、夫は家庭で子供達の相手をすることになった。かくて妻も能率が上がり、子供も幸福になった。隣近所の人達はナップさんのうちは男と恩納が反対だと陰口を利いた。やがてレスターは脚が自由になるようになった時、彼は足が不自由でいた方が家庭が円満だからと言って医者に彼が快癒した事を発表しないでくれと頼んだが、医者は頓智を以て総てをまとめた。