「ヴイナス戦記」のストーリー

西暦二〇〇三年五月、金星(ヴイナス)は三〇〇〇年ぶりに巨大な氷惑星と激突し、炭酸ガスの厚いベールを剥ぎ取られた。やがて地表に酸性の海ができ、地球型の大気が満ちた。早速、金星の地球化と移民計画が着手され、二〇一八年=ヴイナス暦元年に第一次移民団がイシュタル大陸に入植した。しかし、金星の土地は意外にも不毛で、また人間達は争って土地を奪い合っていた。ヴイナス暦七二年金星はイシュタルとアフロディアの二大自治州によって分割統治され、第二、第三の移民団がやって来ていた。その中にインディペンデント通信社特派員、スウの姿もあった。その頃金星で人々が熱狂していたのはアフロディアの首都イオ・シティで行われていた過激なバイク・レース“ローリング・ゲーム”だった。バイク・チーム“キラー・コマンダー”はクィーンのミランダをリーダーに、ヒロ、ウィル、マギーが活躍していた。ある日レースの途中で、いきなりイシュタルの重戦車“タコ”数百両が襲ってきた。イオ・シティは占領されてヒロ達は迫害を受けていたが、ついにキラー・コマンダーの若者達はレジスタンスに立ち上がった。ヒロの危機を救ったアフロディア軍遊撃隊HOUND隊長のカーツ大尉は、彼に特殊なバイク兵器“HOUND”を与えた。不安と絶望の中でヒロ、マギー、ミランダ達は戦火へ巻き込まれていったのだった。