「輝ける百合」のストーリー

オフィス・ガールのマリリンと船舶係の新聞記者ピートは恋仲だった。2人は木曜日の夜には必ず42丁目の図書館傍のベンチで逢引を楽しんでいた。ある夜マリリンはラッシュアワーの地下鉄でグレイと言う青年紳士と知り合った。それからはマリリンの心はグレイに傾いていき、楽しい幾日かを共に遊んで暮らした。やがて2人の心は結婚へと傾いていったが、ある日グレイは会社から出張を命ぜられたと言って紐育を去った。グレイはマリリンには隠していたが、実は英国の貴族で紐育に遊びに来ていたのであった。ピートはグレイ父子の来朝を知らずにいて編集局長に叱られ、グレイ等が帰国すると聞いてその船に駆けつけた。そしてピートはマリリンの心を奪った男がグレイである、又彼に許婚のある事をも知った。マリリンはピートからグレイの全ての事を聞いて悲観したが、どうしてもグレイを忘れられなかった。ピートはマリリンの為に復讐を考え、翌朝の新聞に「英国の貴族恋の痛手を負って帰国」と書いた。マリリンは一躍「ノー・ガール」として有名になったが、その代わりに社を解雇された。ピートは「ノー・ガール」という評判に目を付け悲観しているマリリンを芸人として立たせる事を思い立ち、俄仕立てであるナイトクラブにデビューさせた。歌姫としてのマリリンは見事失敗したにも係わらず、それが却って人気を呼び、たちまちのうちに全米のセンセーションとなった。あるひ英国のナイトクラブからマリリンの出演を申し込んできた。マリリンはグレイに会える嬉しさにすぐ承諾した。ピートはそれを快しとしなかったが、彼が居なくては歌えないと言うマリリンに請われて渡英した。ロンドンでもマリリンは大成功だった。しかも彼女とグレイの仲が急速度に進行し、ピートはマリリンの幸福を願って帰米した。ピートが去ってみると彼女はピートがいかに自分に必要な者だったかを悟り、グレイの愛が真実でないこともわかったので彼を捨ててアメリカへ帰った。そしてピートとマリリンは例の図書館傍のベンチで仲直りし、将来の愛を誓った。