「回転」のストーリー

ミス・ギデンス(デボラ・カー)がブライハウスにやって来たのはそこに住む幼いマイルス(マーティン・スティーブンス)とフロラ(パメラ・フランクリン)の兄妹の家庭教師となるためだった。ブライハウスは古い屋敷で、兄妹は家庭教師のグロース夫人と生活していた。ある日庭で家の塔を見ていたギデンスは、見知らぬ男が彼女を見下ろしているのに気づいて恐怖に襲われた。彼女はすぐ塔への階段をかけ上ったが、塔の上にはマイルスがいるだけで男の影もなかった。数日後の夕方、突然いなくなったフロラを探し、ギデンスが池の端に行くと草むらの中に雨に濡れた黒衣の女が立っていた。その頃からギデンスは夜ごと、邸内を覆うささやき声に悩まされ、兄妹の行動に割り切れぬものがあることに気づいた。耐えかねたギデンスは、グロース夫人に真実を教えてくれと問いただした。グロース夫人の言葉によると、黒衣の女はギデンスの前に勤めていた家庭教師で、ある夜何者かに惨殺された執事の後を追って自殺したのであった。それ以来、2人の霊は兄妹の体を通して恋を語っているのであった。ギデンスはショック療法で兄妹を救おうと、まずフロラを激しく問いつめ霊を追い出すことに成功した。続いてマイルスを問い詰めたが、マイルスは語らぬばかりか、ギデンスの唇に自分の唇を重ねるのだった。しかしギデンスが追及を続けると、突然黒い男の影が現れ、マイルスは一言叫んだままこと切れてしまった。後には恐ろしいほどの静寂が流れ、マイルスを助けようとして果たなさかったギデンスの涙に濡れた祈りだけがいつまでもいつまでも続いていた。