「おんな6丁目 蜜の味」のストーリー

ネオンきらめく銀座の街で、クラブ“亜矢子”の七周年記念が盛大に催されていた。亜矢子のために各界から有名人が集まり、パトロンの久松幸蔵の姿もあった。一方、執拗に亜矢子を面罵する“パピヨン”のママ蕗子の酔い乱れた顔も見える。翌日、蕗子はビルから飛び降りて自殺した。客集めに高い女の子を集めて、経営に失敗した蕗子の姿は、華やかさと紙一重の銀座の厳しい姿を象徴している。ある日、亜矢子は原宿で若い娘、久美を見出し、銀座の水に引き入れた。そんな時、久松が死んだ。久松の遺言で、店は亜矢子のものになり、久松の息子の孝史から権利書が手渡された。最初はわだかまりのあった亜矢子と孝史だが、やがて二人は愛し合うようになる。一方、ホステスとして頭角をあらわしはじめた久美は孝史に惹かれ、誘惑するが反対に傷ついてしまう。そして、久美はしコード会社の福井に接近し、レコードを出すと、予想以上に素質のあった彼女の歌は大ヒットとなる。同業のかほるや令子のさまざまな妨害にもめげず、亜矢子の店は着着と伸びていった。逆にかほるの店は、得意先の汚職にまきこまれて、店の権利書を差し押えられてしまう。銀座の地図が変ろうとしている。亜矢子は銀座の慣例になっている十二月の恒例銀座まつりのまとめ役に選ばれた。それは銀座のクラブ界のナンバーワンに亜矢子が登りつめたことを意味していた。