「すっかり…その気で!」のストーリー

映画製作を夢見る弱小芸能プロの従業員、伊東たかしのところに、映画製作の依頼が来た。ふってわいた話にたかしは大ハリキリ。ところが、出資者である有田が方々から集めた製作資金を持ち逃げしてしまった。たかしは愕然とするが、すんなりとは引き下がらない。銀行員の女を引っかけようと、銀行の前でたかしは待ちかまえていると、整形外科に勤める春日さち子と知り合った。作戦変更、「お金があればすぐにスターにしてあげる」とさち子に接近する。それならうちの病院を襲えばともちかける。さち子は妻子ある男、毛利とつきあっていたが、彼が会社で使いこんだお金を工面しようとしていた。二人は職にあぶれたスタントマンの安村を仲間に入れ、病院から金を奪った。しかし、バッグを開けてみると、中はニセ札、さち子も、いつの間にか消えていた。彼女が逃走のドタバタに持ち逃げしたのだ。一方、大金を盗まれた院長の加茂は「内部犯行の疑いが強い」という警察の見識に基づき、さち子に疑いの目を向けた。さち子あわやというとき、彼女を追っていた、たかしが救った。そのさち子も裏切られていた。毛利は別れるといっていた妻と一諸に金を持ってニューヨークに逃げていってしまった。自分を救ってくれた、たかしが落ちこんでいるのを見かねたさち子は、病院のお得意さんで、政財界の黒幕、剛田の二号昌江を紹介した。三人は二号を眠らせ、貸金庫の鍵を奪うと、銀行から大金、宝石類を持ち出した。用意したセスナ機で高飛びしようとするが、安村が、「私腹をこやす国賊は許せん」と剛田邸めがけて突っこもうとする。とんでもない奴を仲間に入れたと後悔するたかしは、安村にパンチを浴びせて眠らせるが、燃料が少ない。目方を減らさなくてはとバッグや宝石を捨てるがセスナは海岸に不時着した。意識を失い砂浜に放り出されたたかしは、オスカー外国語映画賞を受ける夢を見て笑っていた。そんなたかしにさち子はキスをすると、また頑張ろうと励ますのだった。