「海賊(1926)」のストーリー

それは武士道華かなりし頃であった。その頃地中海を横行していた狂暴なる一海賊船があった。折しも1隻の商船が略奪され乗組員諸共爆破された。ただ1人生き残ったのは逞しい若者で父を殺されたる彼は堅く復讐を誓った。そして宝物を埋めに上陸した海賊共に逢い首領を倒して仲間入りをした。仲間入りの手初めに来合わせた商船を彼はただ1人で捕獲した。そして1人の美しい乙女に出逢い一目惚れの恋をした。彼は海賊共と計って件の美女とその侍女を人質に取り捕獲した商船の乗組員をして身代金を取りに戻らしめた。そして彼はその夜美女を海賊船より救い出し上陸せしめんと試みたが発見されて美女は捕われの身となり彼は海中に突き落された。一方身代金を取りに帰った人々の乗った船は海賊副首領の計略により途中で爆沈された。一旦海中に没した彼は岸に泳ぎつき白馬に鞭打って都に戻り選り抜いた手練の強兵を率いて撓船に乗り海賊船に迫った。そして間近に及んで自ら船を沈め総員海中を潜水して海賊船に乗り移り、彼らを降服せしめ、危うく副首領に辱められんとして居た美女を救い出した。急を聞いて来た知事によって彼女は姫君であることが判った。しかして彼黒衣の海賊はスペインの大公爵である。そうして大公爵は姫君に結婚を申し込んだのである。