「北京四重奏」のストーリー

元飛行機の設計技師のリー(謝園)は、文革中に北京から下放されて以来、辺境の飛行場に勤務していた。フルート奏者の妻・シャオ(盖克)の努力でようやく北京に戻れたリーは、故宮の臨時の夜間警備員となるが、家に帰ればファミコンに熱中している。シャオは夫の不甲斐なさが腹立たしいが、自分自身にしても子供たちにフルートを教えたり、バーで演奏したりするぐらいの仕事しかない現実にいらつく。夫婦ゲンカが絶えない毎日を繰り返し、ついに二人は離婚を決意するが、住宅事情でしばらくは同居せざるをえない。ある日、売り言葉に買い言葉で家を出たリーは、元看護婦のハン(丁嘉麗)と出会う。彼女は婚期を逸しかけており、同居している兄夫婦に、一日も早く結婚してほしいと言われ続けている。ハンは積極的にリーの家を訪れ、あれこれと世話をやくようになる。一方、シャオは幼なじみで、今は実業家として成功しているチュン(方子哥)と再会。昔はシャオに憧れていたと言うチュンは、今も彼女に思いがあるようで、自分がスポンサーになって彼女のリサイタルを催そうと申し出る。やがて、リサイタルも好評のうちに終了し、チュンは彼女に自分の用意した豪華マンションに引っ越しを勧める。互いに相手が気になりながらも、それぞれの新しい生活を始めたリーとシャオ。そしてリーと所帯を持ちたいハン、あわよくばシャオとロマンスしたいチュン。4人の複雑な思いは、さらに複雑なメロディを奏で、北京の空に響く。