「快傑ダルド」のストーリー

12世紀の頃、ドイツ南西部にあったヘッセ国の軍隊はロムバルディアを侵略し圧政を布き、ウリッチ将軍(フランク・アレンビー)は民衆の恨嗟の的であった。山奥に狩猟生活を営むダルド(バート・ランカスター)は、別離した妻が小さい息子をつれヘッセ人の居に走ったので、圧政に苦しむ民衆を救い息子を取り戻すために立ち上がる決心をした。ある日ダルドは美人に会い心惹かれるものがあったが、彼女がウリッチの姪アン姫(ヴァージニア・メイヨ)であることを知って怒りのうちに追い帰した。隠忍自重するうち、ダルドは先ず息子を求めて襲撃したが成功せず、アンを人質として帰った。彼女は激しくダルドを憎むが、それはいつしか愛情へと変わり、ダルドの気持ちもまた同じであった。しかしデルドは息子とアンの交換を友人ピロッコを使者に立てて申し入れたがピロッコは傷ついて追いかえされて来た。ダルドは意を決し攻撃を決行した。今やまったく彼を愛するアンはこの計画が敵に筒抜けなのを知って急遽一行の後を追い、事前にそれを知らせた。ダルドは裏をかいて死んだと見せかけて城内に入り込み、城門を開いて民衆を迎い入れ、大奮戦ののち侵略者ヘッセ軍は一掃され、息子をも無事取り戻した。熱狂する群衆のうちにはアンの美しい微笑もみられた。