「九龍帝王 ゴッド・オブ・クーロン」のストーリー

九龍は廟街の若きリーダー、サッイー(アンディ・ラウ)は実の親を知らない孤児ながら、拾われた先の黒社会のボス12人を後見人に、この街のプリンスとして着実に成長を遂げていた。そんなある日、彼はこの街にキリスト教の布教活動のためやって来たテレサ(ジョイ・ウォン)という娘と知り合う。2人はお互いに恋心を抱くようになるが、境遇の違いとしがらみが重なり、関係を中々深められない。そんな折、サッイーらと敵対する新興勢力のボス、ラップが出獄して街に帰ってくる。実の親代わりのトン・チャオスイ(ウ・マンタ)、鳳凰女(ディニー・イップ)をはじめとする街の馴染みの人々は、日々力をつけていくラップらによって被害を被るようになる。不安な日々の中で、街を出ようとしていたテレサをサッイーは追いかけ、ようやく二人は結ばれる。しかし、幸せを味わう間もなく、サッイーたちとラップ一味は対決の時を迎え、腹心の部下の裏切りもあって、彼自身も身一つで街を出る羽目に陥る。実の親を知るまで廟街を離れないという誓いを捨てきれないサッイーはテレサを故郷に帰し、自らは街へ戻る。やっとのことで生き延びていた養父母2人の無事を見届けた彼はバイクを駆り、単身ラップのアジトへ乗り込む。かくしてサッイーとラップは死闘を繰り広げ、争いで起こった火事の炎の中、2人の姿は消える。数ヵ月後、街へ戻ってきたテレサは、かつてのままの2人の住まいの前にあるガードレールに、以前彼女がサッイーに渡した十字架のネックレスがぶら下がっているのを見つけて、彼の無事を見届け、安堵の笑みをもたらすのだった。