「秋のミルク」のストーリー

1938年、西ドイツバイエルン地方の小さな農村。8歳の頃から一家の母がわりとして家族の面倒を見てきたアンナ(ダーナ・ヴァブロヴァ)は18歳の娘に成長していた。ある日彼女は写真屋のアルバートという一人の青年(ヴェルナー・シュトッカー)と出会う。農業学校を出ているアルバートは物知りで、アンナはたちまち恋に落ち、幼い兄弟たちも彼の話に夢中になるが、父は彼を快く思わなかった。だがある晩、皆が寝静まった家にアルバートがこっそり忍び込み、二人はついに結ばれる。やがて父も「ドイツがチェコスロバキアを取ったら結婚を許す」と言い、9月にその日はやって来た。そうしてめでたく結婚することが出来たが、その11日後、アルバートに召集令状が来る。泣く泣く夫を送り出したアンナを待っていたのは、彼女に嫉妬するアルバートの継母と体の動かない3人の老人。朝から晩まで働き続けるアンナだったが、皆の目は厳しかった。やがてアンナは妊娠するが、継母は彼女をいたわるどころか重労働を強いる。そんな環境の中で、控えめだったアンナはおなかの子を守るため、次第に強くなって行く。やがて出産を迎え、無事女の子が生まれる。家族の冷たい仕打ちは相変わらずだったが、アンナは働き続けた。数年後、ついにアルバートが帰って来た。彼は継母がアンナをいじめているのを目撃し、家から出て行くよう言い渡す。娘と夫との生活が始まり、ついにアンナに幸せな時が訪れたのだった。