「小さな泥棒」のストーリー

'50年、フランス中部の小さな町。伯父夫婦(ラウール・ビルレー、シャンタル・バンリエ)と暮らす16歳の少女ジャニーヌ(シャルロット・ゲンズブール)は、5年前に彼女を残して去って行った母親からの手紙を待ちながら、映画と盗みに明け暮れる毎日を過ごしていた。ところがある日、洋服屋での盗みがばれ、さらに教会でお布施を盗ろうとしているところを捕まってしまい、こっぴどく叱られたジャニーヌは家を出る決心をし、住み込みのメイドとして働き始める。やがてジャニーヌは、一日の仕事を終えて出かけた映画館でミシェル(ディディエ・ブザス)という男性と出会い、恋におちた。自分を大切にするように悟すミシェルに、ジャニーヌはあっさりと家具職人相手に初体験を済ませ、2人は逢瀬を重ねてゆく。ミシェルの勧めでタイピスト学校に通うようになったジャニーヌは、ある日ここに盗みに入ろうとしていたラウール(シモン・ド・ラ・ブロス)という少年と出合い、次第に好意を寄せあってゆく。そして遂に、ジャニーヌは住み込み先の家で金目の物を盗み、ラウールと共に逃亡の旅に出る。しかしテントを張った海岸で、ラウールの留守中にジャニーヌだけが警察に捕まってしまい、そのまま矯正院に送り込まれる。やがて情状酌量の余地なし、と判断されたジャニーヌは、ここで親しくなったモリセット(ナタリー・カルドーヌ)の恋人の手引きで脱走するのだった。モリセットの大切にしていたカメラをもらって彼女と別れたジャニーヌは、伯父の家に帰りつくが、そこには既に彼女の居場所はなかった。ラウールの行方も分からぬまま、彼の子供を身ごもっていた彼女は、カメラを手術代にして堕胎を決意する。ふと入った映画館で、インドシナ戦争へ向う兵士達を映したニュース・フィルムに、ラウールの姿を認めたジャニーヌは、その夜手術代として取られたカメラを盗み出し、ひとり海岸線を走るバスに乗り旅立ってゆくのだった。

今日は映画何の日?

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