「俺に近づくな!」のストーリー

超高度の爆発力をもつロケット燃料製造工場の工場長マイク・ブランド(スティーブン・マクナリー)は、妻ナンシー(コリーン・グレイ)と一人息子エリックとともに、平和に暮らしていた。ある夜、帰宅した彼は、工場で警備員が殺され、10本のダイナマイトが盗まれて、犯人が姿をくらましたという報告をうけた。工場にかけつけた彼が、警備員のビル、職工長ファイフ、連邦検察局員のケン等から事情を聞いている時、突然犯人から電話がかかってきた。犯人は、何を恨んでか、ダイナマイトで工場を爆破すると脅迫する。工場内には何百万トンもの爆発性物質が、巨大なタンクに蓄えられており、もしこれが爆発すれば、工場は勿論、近辺の町も完全に吹きとんでしまうのだ。マイクは記録その他を調べた結果、その日の昼、工場内で煙草を吸ったことから、ファイフになぐられ、首をきられたナッシュ(ヴィック・モロー)という若者を犯人に推定した。彼の判断は正しかった。犯人ナッシュは、避難命令によって退去しはじめた町の人々の間にまじって、町の中に姿を現わし、マイクの自宅に侵入して、ナンシーとエリックを誘拐した。2人の人質をとったナッシュは、再び電話で、自分の工場侵入を阻止すれば、速発装置のあるダイナマイトで、母子もろとも自爆すると脅迫してきた。驚いたマイクは工場のタンク内の高性能燃料を、ポンプで、離れた所にある別の工場に送って、タンクを空にする措置をとった。しかしこれには、5時間の時をかせがねばならない。拳銃を手に入れた犯人ナッシュは、人質と共に工場内に入ってきた。エリック少年は咄嗟に逃げ出して工場の人々に救われたが、肉親の愛に飢え、恋人に裏切られた暗い過去をもつ犯人は、ナンシーをつれて巨大な燃料タンクによじのぼった。必死に時をかせぐマイクをよそに、犯人はファイフを射殺し、更に工場の屋上に逃れた。身代金5000ドルを与えることを拡声器で交渉したりして、時間を引きのばすうち、大タンク内はやっと空になった。意を決したマイクは、単身屋上にのぼった。格闘のすえ犯人は足をふみはずし、落下の途中自爆した。恐怖の5時間は終わり、ナンシーはマイクと抱きあった。