「折れた矢(1950)」のストーリー

1870年、アリゾナ地方は、白人とインディアン・アパッチ族との間に流血の惨事が絶えなかった。この地方に金を探しに来たトム・ジェファド(ジェームズ・スチュアート)は傷ついたアパッチ少年を助けたことからアパッチ族もまた公正を重んずることを知り、暴力をもってしては2者の確執がとけぬことを信ずるに至った。彼はアパッチ族を統率する大酋長のコチーズ(ジェフ・チャンドラー)を訪ね、和睦を申し込んだ。白人に対する不安は解くすべもなかったが、酋長はトムの誠意だけは信じ、以後トムはしばしばインディアンの集落をおとずれるうちに、アパッチ少女ソンシアレイ(デブラ・パジェット)と恋におちた。一方、グラント大統領からアリゾナに派遣されたハワアド将軍は、アパッチとの和平に心を砕き、トムに動かされてコチーズと会見、合衆国とアパッチの間に3ケ月の休戦条約が成立した。トムはソンシアレイと結婚し、休戦は永続するかにみえたが、コチーズの軟弱に反旗をひるがえしたインディアン、ジェロニモが白人を襲い、平和が破れかけるようなことも起こった。たまたまコチーズを亡きものにしようとしていた悪白人の一団は、謀略をもってコチーズやトムをおびき出し、待ち伏せの上皆殺しにかかった。このためトムは愛妻ソンシアレイを失い、平和への希望もなくすほど激怒したが、しかしそれを押し止めて、平和実現のためには苦しみを忍ばねばならぬとさとしたのはコチーズであった。

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