「お呼びの時間」のストーリー

白髪がめっきり目立つ年頃になっているハリー(ポール・フォード)は、マサチューセッツのカルバータウンで製材会社を営んでいた。彼には1人娘のケイト(コニー・スティーヴンス)と、その娘婿チャーリー(ジム・ハットン)がいたが、このチャーリーはとびきりの慌てもので、ハリーも仕事を任せたくても任せることができず、やきもきした毎日を送っていた。今日も今日とて、隣に住んでいる市長のクレインがやってきて、チャーリーに、長年の懸案だったフットボール競技場の建設に使う材木を、一切ハリーの会社にまかせるというのだ。チャーリーは熱狂してよろこんだが、ハリーにはクレインの底意がみえすいていた。近く始る市長選のために、ハリーに恩を着せて、手強いライバルである彼を出馬させないためなのだ。が、そんなある日、友人の医師キャンブローのもとに健康診断にいったハリーの妻エディスは、自分が妊娠していることを知った。びっくりしたのはハリーだが、迷惑をこうむったのはチャーリーとケイトだ。ケイトは仕事をやらなくなったエディスのしわよせで、一日中てんてこ舞いのいそがしさ。チャーリーは、自分たちに子供ができないことをケイトにつつかれあげくに毎夜子供を欲しいあまりのケイトのコーゲキにへとへと。ついにがまんできなくなったチャーリーはケイトと大喧嘩をして家を出てしまい、ハリーも、妻の面倒をみるのが面倒になり、怒ったエディスは書置を残して家を出てしまった。あわてたハリーは、とるものもとりあえずエディスを追ってボストンに向かった。久しぶりの旅行気分を味ったエディスはやっとハリーを許した。折も折、チャーリーからの電話で、ハリーが選挙に出馬しないことを知ったクレインが、正式に競技場の仕事をハリーの会社に落札したことを知った。ハリーの顔にはじめて、娘婿チャーリーに対する信頼の色がうかんだ。